「阿蘇の大自然から生まれた絵本」(後編)フーくんと風の郵便屋さん

[座って何かを見つめているキツネ]

葉祥明阿蘇高原美術館がある丘には、たくさんの動物が集まってきます。

ある時、丘の上に立つ一本の木の横に、

一匹のキツネが座って、

熊本市街や有明海の方をじっと見つめているのを、葉山館長が見つけました。

それも一度だけではなく、何度も、何度も・・・。

葉祥明阿蘇高原美術館5

野生のキツネに遭遇するだけでも、

街に住んでいる人間からすると結構な驚きなのですが、

丘の上に佇んで、同じ方を見つめているなんて凄いですよね。

葉山館長は、そこでただ驚くのではなく、

これは何か意味がある」

「あのキツネは何を見ているんだろう」

と思いを巡らせました。

有明海が見える風景を眺めているキツネを、

美術館の中から、窓越しにそっと、見つめ続けました。

葉祥明阿蘇高原美術館6

[実話を元にしていながら、読む人が想像し体験できる絵本]

そして、そんなことを何度も繰り返しているうちに、

ついにキツネと心が通い合ったのでしょうか、

突然、なぜこのキツネがこの場所にやってくるのかが

わかったと思う瞬間があったそうです。

そこから自然と湧き出るように、溢れるようにして書かれたのが

「フーくんと風の郵便屋さん」

という絵本でした。

フーくんと風の郵便屋さん
1冊1,620円(税込)

阿蘇にいるキツネから生まれた物語だけれども、

読み進めていくにつれ、読む人の心がそのまま投影され、

読む人自身の物語になってくる絵本。

知らないことを経験しながら、他との関わり合いや、

自立することの意味が自然と理解できるような、ファンタジーであり、

児童文学であり、絵本であり、実話でもあり・・・

この大自然と人間とが溶け込む場所だからこそ生まれた、

読む人の心の中の“自然”を引き出してくれる本。

言葉や文字で表現しがたい、“自然”という要素が、

この絵本にはいっぱい詰まっています。

皆さんは、“自然”というと、どんなことをイメージしますか?

キツネのフーくん2

[初めて、兄弟で生み出された絵本]

そしてこの本は、文:葉山祥鼎さんと、絵:葉祥明さん、

実は初めて、ご兄弟で一緒に作られた絵本でもあります。

葉祥明さんは、これまで何百冊と本を出されていますが、

今までいろんなプロデュースやサポートをされてきて、

ご自身も作品を手がけてこられた、弟の祥鼎さんから声をかけられたのは、

このフーくんが初めてのことだったそうです。

葉山祥鼎さんは、

「この話の絵は、葉祥明でないと描けない」と何度もおっしゃっていました。

なぜ今まで一緒に作らなかったのか、と不思議に思うのですが、

画家としての葉祥明さんを

最も近くで長年見続けてきたからだけでなく、

プロデュースという、ある意味非常にシビアに作品を見なくてはならない、

時に厳しいことも本人に言わなくてはいけない立場でもあり

続けてきたからこそ、

二人でやるのに相応しいと確信できる作品は、

生み出そうとして生まれるものではなかったのかも知れません。

一匹のキツネは、こんなところにも幸せのきっかけを運んでくれたのですね。

[豊かな想像力が、人生や作品という“物語”を生み出す。]

葉山館長からは、

一匹のキツネが現れた時の話から、

それが絵本になるまでの間、

ご自身やご兄弟ご家族のお話、これまでの道のり、美術館や阿蘇への思い、

美術館を訪れる方や出会って来られた方々のこと・・・

全部、本当の話と、これからの夢の話なのですが、

嘘か本当かわからなくなるような、聞いているこちらがワクワクする、

楽しくて元気づけられるお話をいっぱい聞かせて頂きました。

そしてそれだけでなく、後から一人になって思い返してみると、

「ああ、もしかしたらこういうことを教えてくれていたのかな」

と思うような、人生のヒントやアドバイスを、

そっと優しく、それとなく伝えてくれていました。

葉祥明阿蘇高原美術館3

絵本や詩といった作品だけでなく、

会話や人生も、ワクワクするような物語に出来るのです。

きっと、そういう自分になろうとする生き方だからこそ、

人も、そして動物も、自然と集まってくるのでしょうね。

[必然、必要なことと思える時が、必ず来る。]

絵本が生まれた時もそうでしたが、

今回の地震が起きたことも含めて、あらためて

人生というのは、いつどんなことがあるかわからないけれども、

自分一人の力ではどうしようもないこともたくさんあるけれども、

自分を信じて生きていけば、

それも、無理しないで、自分の心に素直に、

時には自然に身を委ねて、しっかりと歩んでいけば、

いつの間にか夢は実現するし、

そこに至るまで、無駄なものは一つもない、

全ては必然と思えるように、時は流れていくのだなあと感じました。

予期せぬ出来事もたくさんあるその一瞬一瞬を、

どのように捉えるかで、人生は大きく変わります。

地震は確かに悲しい出来事です。

人間にはどうしようもできないほど大きな出来事です。

でも、ご兄弟で初めて一緒に作られた、

今の子供達にこそ読んでもらいたいと自信を持って薦めることの出来る、

そして後世にずっと残したいと思えるような、素敵な絵本は、

地震が起きる前に、生まれました。

地震によって起きた悲しい出来事を、

必然で片付けてしまうつもりはもちろんありませんし、

なかなか癒えない傷もあると思いますが、

いろいろなことが起きて、

それを日常という時間の中で、

いろいろな受け止め方をしながら、

人は成長もするし、新たに生まれ、変化していくこともあります。

自分自身と、じっくりと、しっかりと、大切に向き合いながら、

どうしようもできないもの(他者、自然)とも向き合っていく。

決して一つではないその答えを、想像したり、考えたり、動いていきながら、

見つけて行こうとするその過程こそが、人生であり、物語でもある。

そんなことを、この阿蘇と、美術館、そして葉山館長からは教わりました。

それも、決してお説教や説明ではなく、

そこに行って、丘を歩き、話をしたり、絵を見たりして、

ゆったりと過ごしているうちに、

自然と癒され、気付きや発見を得ることが出来る。

あるいは自分らしい自分を思い出せる。

そういう場所であり、時間でした。

今回の地震で、

しばらくの間、阿蘇や美術館に訪れてもらえないのは本当に残念ですが、

この絵本を通じて、自然の良さ、人と自然との関わり方、自分との向き合い方、

人が豊かに成長していくのに必要不可欠なことが、

阿蘇を訪れるのと同じように、

読む人の心に染み渡ってくれたらいいなあと、

そう願っています。

そして、きちんと安全が確保され、安心して行けるようになったら、

本物の阿蘇に、美術館に、是非訪れてみて下さいね。

ブルービーやフーくんも、待っていてくれたらいいですね。

葉祥明阿蘇高原美術館HP

葉祥明阿蘇高原美術館Facebook

葉祥明阿蘇高原美術館

■フーくんと風の郵便屋さん
フーくんと風の郵便屋さん
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